知らないと後悔する「持ち家」に関する離婚準備とは?

自分が浮気して離婚したいは認められる?認められた事例とやるべきこと

「不倫相手に本気なので、どうにかして離婚したい」
「なるべく円満に離婚して、トラブルを回避したい」

不倫という配偶者を裏切る行為をしつつ、それでも「不倫相手と新しい人生を歩みたい」と、離婚で悩んでいる方もいることでしょう。

原則的に、浮気をした側からの離婚請求は認められません。しかし、配偶者としっかりと話し合って誠実な対応を取れば、円満な離婚が実現できる可能性もあります。

ここでは、

  • 自分の浮気が原因の離婚は認められない
  • 自分の浮気で離婚したい場合は誠実な対応を取ること
  • 離婚したいと言われた側がやるべきこと

について解説します。

目次

自分の浮気が原因の離婚は認められない

夫婦関係に関する法律

結論から述べると、浮気をした側が配偶者に離婚をお願いしても、裁判上では原則的に認められません

不倫・DV・モラハラ・生活費を渡さない、などで離婚原因を作った人は「有責配偶者」と呼ばれます。この有責配偶者からの離婚請求は、基本的に認められません。自分から裏切っておきながら、さらに離婚を請求するのは、配偶者にとってあまりにもひどい仕打ちとなるからです。そのため、不倫した側がたとえ離婚裁判を提訴しても、すぐに棄却されてしまいます。

ただし、裁判上では離婚が認められなくとも、配偶者が離婚に合意してくれれば離婚できます。夫婦で話し合いを重ねて慰謝料や養育費などの条件をまとめて、それに相手が納得してくれれば「円満離婚」は実現可能です。

自分から不倫をしたけれど、どうしても離婚したいのであれば、配偶者を納得させるしかありません。誠実な態度を示しつつ、夫婦でしっかりと話し合うようにしましょう。

夫婦関係が破綻している場合は認められた判例も

上記で解説したように、有責配偶者からの離婚は原則的に認められません。ただし、以下で示す「3つの条件」に合致する場合には、有責配偶者からの離婚が認められる可能性があります。

昭和62年9月2日に行われた最高裁の判決において、「3つの条件があれば、有責配偶者からの離婚請求は認められる」としました。

  • 別居期間が長期化している
  • 未成熟の子が居ない
  • 配偶者が離婚によって精神的・社会的・経済的に過酷な状況にないこと

つまり上記3つの条件に該当するケースであれば、裁判においても離婚請求が認められる可能性が高いということです。

これら3つの条件について、1つ1つ詳しく見ていきましょう。

別居期間が長期化している

別居期間が長期化している場合、「婚姻関係は破綻している」と見なされ、有責配偶者からの離婚裁判でも認められた事例があります

以下、有責配偶者からの離婚が認められた判決の別居期間を一部見てみましょう。

  • 昭和62年9月2日 最高裁「同居12年 別居歴36年」
  • 昭和62年11月24日 最高裁「同居4年 別居歴30年」
  • 昭和63年2月12日 最高裁「同居17年 別居歴22年」
  • 昭和63年4月7日 最高裁「同居21年 別居歴16年」
  • 平成元年2月27日 東京高裁「同居8年 別居歴22年」
  • 平成4年5月26日 大阪高裁 「同居24年 別居歴26年」
  • 平成6年2月8日 最高裁 「同居15年 別居歴13年」
    参考:http://genderlaw.jp/hanr/rikon/rikon3_1.html

見てみると、別居歴が10年以上が多いことがわかりますね。

また、同居歴よりも別居歴が長いと、「婚姻関係は破綻している」として離婚が認められやすいと考えられます。

未成熟の子が居ない

未成熟子がいないと、有責配偶者からの離婚請求が認められている判決が過去にいくつか見られます。

  • 昭和63年2月12日 最高裁
  • 平成元年2月27日 東京高裁
  • 平成元年6月23日 神戸地裁
  • 平成3年7月16日 東京高裁
    など

ただし、未成熟の子が居るにも関わらず、離婚が認められているケースもあります。

たとえば、平成19年5月15日の大阪高裁で行われた判決では、子の年齢が18歳と16歳の高校生であり、大人に近い年齢であると見なされ、離婚しても悪影響はないとされました。

また、平成15年1月31日の那覇地裁の判決では、子供が12歳と9歳という年齢でも、有責配偶者からの離婚が認められています。

有責配偶者で離婚請求をした夫は、毎月の養育費をきちんと支払い、慰謝料を支払う意思を見せました。また、妻が子供を利用して夫に非難のメールを送った事実があり、「こうした夫婦の緊張や葛藤が子供に悪影響を与える」として、離婚請求が認められています。

このように、未成年の子がいても、その他の要素が考慮されて離婚が認められることもあります

配偶者が離婚によって精神的・社会的・経済的に過酷な状況にないことと

配偶者が、離婚をしても精神的・社会的・経済的に何も問題がないと見なされれば、有責配偶者からの離婚が認められることがあります。

たとえば、平成26年6月12日 東京高裁の判決例を見てみましょう。

妻はフランス国籍、夫は日本国籍であり、日本方式で婚姻し2人の子供に恵まれました。しかし妻は、他の男性と一緒に暮らすために子を連れて別居。そして妻は夫に対し、離婚を求めました。

別の男性と不倫した妻からの離婚請求ですが、判決では「夫にも別居を作った原因がある」としています。なぜなら夫は、妻の電話やメールを使用不可にした・クレジットカードのキャンセルをした、などの信頼を裏切る行為をし、さらには妻の交際相手の家で待ち伏せをして暴力沙汰になった過去があるためです。

夫は年収が900万円以上あること、また夫側も離婚を望んでいた過去があることより、配偶者が精神的・社会的・経済的に著しく不利益な状態になるわけではない、として、妻からの離婚請求が認められています。

自分の浮気で離婚したい場合は誠実な対応を取ること

自分の不倫が原因ではあるものの、それでも離婚をしたいなら、相手にしっかりと謝罪した上で誠実な対応を心がけましょう。話し合いで相手が離婚を認めてくれれば、円満な離婚が実現できるはずです。その際には、配偶者だけではなく、子供にも誠意を示すことを忘れないようにしてください。

では、具体的にどのような対応を取ればいいのでしょうか。

  1. 配偶者に対する誠実な対応
  2. 子供に対する誠実な対応

それぞれについて、以下で詳しく解説します。

配偶者に対する誠実な対応

妻に対する慰謝料支払い

配偶者に対しては、

  1. 別居期間の婚姻費用を支払う
  2. 慰謝料を支払う
  3. 財産分与を多めに渡す

などの誠実な対応を心がけましょう。

別居期間の婚姻費用を支払う

離婚の協議で相手が頑なに応じない場合、「しばらくは別居しよう」という結論に至る可能性も考えられます。もし別居することになっても、相手にきちんと生活費や養育費を支払いましょう

民法752条では、夫婦の扶助義務が明記されています。

(同居、協力及び扶助の義務)

第七百五十二条 夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。

引用:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089

この条文に「互いに協力し扶助しなければならない」とあります。これは、「夫婦のどちらかが扶助を必要としたら同等の生活が送れるように協力しましょうね」という意味です。つまり、たとえ別居中であっても、相手がきちんと生活を送れるように支援するのは当然の行為なのです

また、しっかりとお金を支払うことで、相手も「離婚時に慰謝料や養育費をきちんと支払ってくれるだろう」と安心してくれることでしょう。すると、離婚について真剣に考えてくれるかもしれません。

慰謝料を支払う

あなたが不倫行為をした「有責配偶者」ならば、配偶者から請求されれば慰謝料を支払う必要があります。不倫という裏切り行為をして相手を傷つけているのですから、その代償を払うのは当然です。

不倫の慰謝料は、100~300万円が相場です。相手としっかりと話し合い、慰謝料の金額や支払い方法を、お互い納得のいく形で決めましょう。

財産分与を多めに渡す

財産分与とは、夫婦で協力して築いた財産を離婚時に分割することです。

基本的には、夫婦で折半します。ただし、協議において2人が合意できれば、どのような割合でも分与は可能です。つまり、慰謝料として相手が受け取る財産の割合を多くして分与することもできます(これを「慰謝料的財産分与」と呼びます)。

慰謝料の支払いに加えて、財産分与を多めに渡すことも検討しましょう。すると、相手も納得して、離婚を認めてくれるかもしれません。

財産分与について詳しいことは以下の記事でも解説していますので、合わせてご覧ください。

子供に対する誠実な対応

子供と喧嘩中の夫婦

子供に対してもきちんと誠実な対応を示しましょう。

具体的な対応としては、

  1. 子が成人するまで養育費をきちんと支払う
  2. 子供が望むなら面会交流の約束をする

などが挙げられます。

子が成人するまで養育費をきちんと支払う

子供が成人に達していない場合、成人するまでは養育費を毎月きちんと支払い続けることを約束しましょう。

離婚すると、多くのケースでは母親が親権を得ます。しかし厚生労働省が公表しているシングルマザーの経済状況を見てみると、平均年収は約200万円であり、かなり低い数値であることがわかります。

参考:厚生労働省 平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告

こうした現状により、離婚を拒否する妻は多いです。

養育費の金額や支払いを決めて、公正証書を作成するなどの誠意を見せれば、配偶者が離婚に納得してくれる可能性が高まりますよ。ごまかしたり逃げたりせずに、きちんと話し合いをしましょう。

子供が望むなら面会交流の約束をする

子供が会いたいと望むのならば、面会交流をする約束をしましょう。

「親の離婚が子どもの心理に与える影響」の論文によれば、両親の離婚後、別居親と会えないと子どもの心理に悪影響が出る、との指摘があります。具体的には、「自分は不幸だと感じやすくなる」「他人を傷つけやすくなる」などです。

参考:親の離婚が子どもの心理に与える影響

つまり、面会交流を定期的に設けることで、子供のためにもなるのです。その点を配偶者にもしっかりと伝えて、子供に対して誠意のある姿勢を見せましょう。

なお、面会条件・回数・方法などは、大人だけで勝手に決めないようにしてください。子供にとっては不満となる可能性が高くなります。なるべく子供の意見を尊重しましょう。

誠実な対応を怠れば痛い目に

後悔する夫

「とりあえず口約束だけして、払わずにいればいいか」

などという考え方は、非常に危険ですのでやめましょう!

たとえ口約束で慰謝料や養育費などを決め、公的書類である「公正証書」を作成していなかったとしても、相手が弁護士を立てて訴えられた場合、さらに高額な支払いを命じられる可能性がゼロではありません

とくに、あなたの不倫や暴力などの証拠を相手が掴んでいる場合、慰謝料請求訴訟をされてしまえば、拒否することはほぼ不可能です。もしも逃げれば強制執行がされ、あなたの給与や財産などが差し押さえられます。

慰謝料や養育費などを取り決めしたら、きちんと支払いましょう。

離婚したいと言われた側がやるべきこと

では逆に、「離婚してほしい」と言われた側は、どのように対処すればいいのでしょうか?

ここでは、離婚を持ちかけられた側がやるべきことを2つご紹介します。

  1. 離婚したくないなら認めないこと
  2. 離婚するなら公正証書を作成する

離婚したくないなら認めないこと

離婚を拒否する妻

上記でも解説したように、不倫した側からの離婚請求は、原則的には通りません。たとえ離婚裁判になったとしても、「夫婦関係が破綻している場合は認められた判例も」の項で解説した3つの条件である、

  • 別居期間が長期化している
  • 未成熟の子が居ない
  • 配偶者が離婚によって精神的・社会的・経済的に過酷な状況にないこと

に該当しなければ、離婚は成立しないのです。

絶対に離婚届にサインや押印をせず、離婚したくないという意志を貫きましょう。

離婚するのであれば公正証書を作成する

相手に愛情がなくなり、信頼関係も崩れてしまい、これ以上関係を維持するのが不可能だと悟ったら、離婚して新しい生活を始めるのも1つの選択肢です。

その際には、養育費・慰謝料・財産分与・子供との面会などの約束事を夫婦で決め、その後に必ず公正証書を作成しましょう。

公正証書とは、公証役場にて作成される文書のことです。これを作成しておけば、もしも公正証書に記載されている約束を破った場合、強制執行が実行できます。相手から確実に養育費や慰謝料を受け取れるので安心ですよね。そのためにも、必ず作成しておきましょう!

なお、公正証書には、以下のような内容を記載します。

  • 親権者は誰か
  • 養育費の金額、支払い方法、期間など
  • 慰謝料の金額、支払い方法など
  • 子供と面会交流をすること(細かな条件は子供と話し合ってその都度決める)
  • 財産分与の対象財産、分配割合
  • 年金分割の合意
    など

これらの条件を夫婦でしっかりと話し合って決めてから、公証役場に赴いて公正証書を作成してもらいましょう。

まとめ

今回ご紹介した中で、とくに重要なポイントは以下の3点です。

  • 原則的には不倫をした側からの離婚請求は認められない。しかし「別居期間が長い」「未成熟子がいない」「配偶者が離婚後も経済的・精神的・社会的に困らない」などの条件を満たせば離婚が認められることもある
  • どうしても離婚したいのなら、配偶者や子供に対して誠意ある姿勢を見せること
  • 離婚したいと言われた側は、認めたくないなら離婚しない意志を貫くこと。離婚するなら公正証書を必ず作成すること

自分の不倫が原因で離婚をしたい場合は、相手や子供に対して誠実な対応を示し、離婚に合意してもらいましょう。それが、円満かつスムーズな離婚方法です。

たとえ離婚裁判を起こしても、「別居期間が長い」「未成熟子がいない」「配偶者が離婚後も経済的・精神的・社会的に困らない」などの条件を満たせないと棄却されますので、注意しましょう。 ぜひ、配偶者と離婚について話し合う際の参考にしてくださいね。

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